カルピス

俺がちっちゃい頃の夏の定番の飲み物と言えばカルピスだった。

夏休みかなんかに親戚の家に遊びに行くと、仏間には大抵カルピスの大瓶がお中元として置いてあり、それを集まったみんなで、「濃いめ〜、薄いめ〜」なんて言いつつ水で割って飲むわけ。


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ちょっと待て!
なんだ!カルピスウォーターなる飲み物は。
確かに大瓶カルピスにも推奨の割り方なんて書いてあるが、そんなもの飲む人の自由なわけじゃない。
それが出来上がったものが簡単に手に入るなんて。
あの、みんなでわいわい言いながら作る楽しみが無いじゃないか。
それが、また、親戚同士のコミュニケーションの場となるのに。

世の中には便利があふれ返っている。
確かに俺もその恩恵に与っているし、やっぱり便利なものがいいとも思う。
でも、そのぶん人と人との触れ合いの機会が少なくなってしまっている場面もあるのではないか。